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 サイマル翻訳ブログ

株式会社サイマル・インターナショナルの翻訳スタッフによるブログ。
翻訳者の実務からコーディネーターのエピソードまで、サイマル翻訳にまつわる
トピックを扱います。
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世界遺産推薦は長い道のり
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    暑い日が続いています。夏休みで帰省する方も多いと思いますが、さて、あなたの地元に「世界遺産」はありますか?
    今回は、世界遺産関連の案件を多く担当している弊社コーディネーターによる記事です。

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    現在、ユネスコの世界遺産に登録された日本国内の文化遺産・自然遺産は合計19件。今年登録された「明治日本の産業革命遺産」のように、いくつもの県の史跡が含まれている場合や、「原爆ドーム」と「厳島神社」がある広島県のように複数の登録がある県もあり、所在地で見ると26都道府県に世界遺産があります。意外と多い?少ない? ちなみに、世界遺産として登録されるまでのプロセスはとても大変。めったやたらに何でも登録というわけにはいかないのです。

    今年7月に2017年の推薦候補に決まった「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」の場合で見ると、「暫定リスト」に記載されたのが2008年でした。また、2017年の候補に選ばれたということは、2016年2月1日までにユネスコ世界遺産センターに「登録推薦書」を提出しなければなりません。ずいぶん前に締め切り、と思われるかもしれませんが、推薦書を受け取った世界遺産センターは、ICOMOSやIUCNといった諮問機関に資産の評価を依頼し、この諮問機関による現地調査などが行われるので、そのための時間が必要なのです。その評価報告(勧告)をもとに、2017年の世界遺産委員会で最終審議が行われるということになります。うんと簡略に書きましたが、長い道のりです。

    なお、提出する推薦書にはその資産の「顕著な普遍的価値(Outstanding Universal Value)」や関連情報のすべてが記載されていなくてはならないので、大概の場合数百ページにおよびます。諮問機関の調査によって追加文書の提出を求められることもあります。そして、世界遺産センターへの提出文書は、英語かフランス語で記載しなくてはならないのです! ここで私たちのような翻訳会社にお声がかかったりします。

    一連の推薦プロセスは「世界遺産条約履行のための作業指針」というガイドラインに基づいているので、用語はこれにあわせる必要があります。たとえば原稿に「評価基準」とあったら訳語はevaluation codeでもassessment standardでもなくcriteriaとします。また、日本の歴史や建築、民俗など専門的な内容がたくさんあるので、それをどう英語(フランス語)で表現したらよいのかも難しい!

    サイマルでも、現地調査の通訳や提出文書の翻訳などといった場面でお手伝いをさせていただくことがありますが、何年も尽力されてこられた関係者の方々のご苦労を考えると、少しでもサイマルのサービスがお役に立てたら、と思うのです。

    F.A.
     
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