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 サイマル翻訳ブログ

株式会社サイマル・インターナショナルの翻訳スタッフによるブログ。
翻訳者の実務からコーディネーターのエピソードまで、サイマル翻訳にまつわる
トピックを扱います。
世界に向け、力強く魅力ある発信を
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    キャスターやジャーナリストの経験がある翻訳者が、メッセージが伝わる原稿の作り方を提案します。

    (原文はこちら

     

    プレゼンテーション原稿翻訳の具体的ポイントについて述べたこちらの記事もあわせてどうぞ。

     

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    現在のグローバルなビジネス環境では、職位を問わず、壇上に上がって何かしらのメッセージを伝えることが求められ、またある時はオンライン会議を仕切ることが求められます。そこでは自信を持って発信し、相手を納得させ、かつ好印象を与えなければなりません。気の重くなる仕事ですが、コミュニケーションを円滑にする役目を担う翻訳者が間に立ち、英語での効果的な発信方法を提案し、聴く人の心に残るプレゼンテーションに仕上げることで、その負担を軽くすることができます。

     

    明快なメッセージ
    聴き手の気持ちを素早くつかむのに、明確で自信にあふれたメッセージに勝るものはありません。私は一時期メディア業界に身を置いていました。テレビに映るのはわずか1分間、その間に伝えられる文章量はほんの数パラグラフということも日常茶飯事でした。ここで私は、言いたいことを要約して1文に盛り込み、さらにはストーリー全体をも簡潔にまとめるスキルを身につけました。この当時の私のように簡潔な原稿を書くことをお客様にお願いすることで、翻訳者は全体を通してメッセージがいっそう明快に伝わる文章を作ることができ、お客様にとっても、想定される聴き手に合わせた内容や表現を盛り込み、重要度の低い内容はあえてカットするという判断がしやすくなります。

     

    原稿内容の順序
    ネット上でのプレゼンテーションでも会場で話すスピーチでも同様ですが、まず結論を述べ、伝えたい内容やその文脈を序盤で大胆に要約するのがよいでしょう。口頭のプレゼンテーションであれば聞き手の意識を内容に向けさせることができ、ウェブサイトの文章であれば、読み手の興味を引きつけ、クリックして先の画面に進ませることができます。日本のお客様の多くは、背景情報を十分に提供するなどお膳立てした上でようやく伝えたい内容を話し始めるという手法に、いまだに安心感を持っています。すんなり実践とはいかないかもしれませんが、伝える内容の順番を入れ替えることで聞き手の関心がぐっと高まり、より熱心に耳を傾けてもらえるようになるかもしれません。

     

    好印象を与えるスタイル
    大勢の人を前に外国語で話すのは容易なことではありません。私はジャーナリストとして様々な国や文化の中で仕事をしてきました。その経験から、誰かの信用を得たいときに、あるいは心に残るメッセージを伝えたいときに、力強く魅力のある人柄であることがいかに重要かを学びました。翻訳者の力を借りて理路整然と読みやすい原稿を作ることで、発表者は自信をもってメッセージを伝えることができます。訳文を作る際には以下のポイントに気をつけます。いずれも効果的な翻訳に仕上げるうえで有効な方法です。

     

    • 短い文章を用い、「ワンセンテンス・ワンアイデア」の原則を守る。
    • 聴き手や読み手が翻訳文に触れるのは1度限りだと意識して翻訳する。
    • 作業が終わったら声に出して読んでみて、引っかかるようであれば別の表現に言い換える。
    • 訳文中に強調や息継ぎのポイントを埋め込む。

     

    プレゼンテーション資料

    プレゼンテーションに補助資料が添えられていると、メッセージがより伝わりやすくなります。効果的な発表にするためには、スライドなどの資料はスピーチ原稿の執筆前ではなく、後に準備なさることをお勧めします。原稿が完成してから資料を用意することで、緩慢で散漫になりがちな発表を視覚的に補助するためにスライドを使うということがなくなります。スライドに大量の情報を詰め込む代わりに、追加情報があれば、参考スライドとして盛り込んでおけばよいのです。スピーチのメッセージを明確に伝えるには「3×3ルール」が安心です。これは、スライドの情報量を1行あたり3単語、1スライドあたり3行に抑えて簡潔にまとめる手法です。

     

    情報があふれ競争も激しさを増す中、メッセージを明快に、効果的に発信するために、翻訳者をぜひご活用ください。

     

    D.C.

     

    【原文】

    Powerful, personable communication for a globally connected world

     

    In today’s global business environment, people across all levels of a company or organization are being asked to step up and convey specific messages or facilitate online meetings, confidently, convincingly, and personably. As communication facilitators, translators can help make that experience less daunting by suggesting effective ways of organizing English-language content and creating presentations that leave a lasting impression. 

     

    Succinct message
    Nothing earns more instant respect with an audience than a clear and confident message. During my early career in the media, where you often have only one minute of air time or a few paragraphs of copy to play with, I was trained to summarize what I wanted to say in a single sentence, and, often even harder, to write a story in the same succinct way. Asking a client a similar question can help the translator weave a clearer message throughout a text, and encourage the client to tailor content to a targeted audience or willingly shed extraneous detail. 

     

    Order of content
    Whether it is an online presentation or a live speech, stating your conclusion first and offering a bold upfront summary of your intended content and its context is a great way to get an audience on board, or encourage readers to click past the first screen for further detail. Many Japanese clients still feel more comfortable setting the scene, giving plenty of background detail and then getting down to what they really want to say. While it might not come naturally, flipping the order of content delivery can help ignite audience interest and encourage more enthusiastic participation. 

     

    Personable style
    Speaking in public in a foreign language is not easy. As a journalist working in various countries and cultures, I learned the value of a strong, personable character when seeking to earn people’s confidence or leave a lasting impression. Translators can help speakers communicate confidently by contributing to an intelligently constructed, manageable speech text. Translating text as short, single-idea sentences. Translating for a one-time hearing or one-time reader. Reading translations aloud and adjusting word choices if you stumble. Inserting emphasis or pause points. All useful services that could be incorporated into a translation offering. 

     

    Presentation materials
    Presentation aids are a great way of getting a message across. To do that effectively, it is a good idea to encourage clients to create slides or other presentation aids after writing a speech, not before. That way clients can start to steer away from using slides as visual crutches for a sluggish, often disjointed delivery. Instead of populating slides with large amounts of additional detail, further information can always be included as reference slides. For the speech body, the succinct 3 x 3 rule is a trusted method for conveying clear messages by limiting text to three words on a line, and three lines on a slide. 

     

    How can we help get voices heard in a competitive, information-rich environment? 

    | 翻訳者 | 12:42 | - | - |
    論文翻訳は著者との連携がカギ
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      学術論文の翻訳は、内容を誰よりも熟知した著者のご協力あってはじめて完成する場合も少なくありません。著者との連携には深いコミットメントを必要としますが、翻訳者にとってやりがいでもあります。

      (原文はこちら

       

      -------------
      翻訳はその論文のテーマに関して専門知識を持つ翻訳者が行うのが理想的ですが、それでも訳す側でかなりのリサーチが必要になることは避けられません。なじみのないテーマ、そしてその分野の第一線の研究者が執筆している論文である場合は、リサーチも大変な作業になることがあります。

       

      翻訳は納品後、著者である研究者自身のチェックが入ることがよくあります。もしその研究者が英語に堪能であった場合(実際多くの研究者はそうなのですが)、翻訳の品質が著者の求める基準に達していないと、マイナスの評価をされかねません。その場合、論文のテーマに熟知している著者は、自ら英語版を書き直そうと考えるかもしれません。その際、もともと日本語原稿になかった内容を追加することもあるでしょう。私は経験上、そのような修正を自分の訳文に対するものとは捉えないようにしています。こちらの翻訳に修正が加えられたとしても、それがすなわち訳文の間違いであることには必ずしもなりません。著者には著者の文章スタイルがあり、伝えたいことをより的確に表現できる場合もあります。

       

      では逆に、英語を得手としない著者の場合はどうでしょう。その場合はこちらが訳した文章がほぼそのまま、もしくはまったく修正なしで公表されることもあります。誤訳がないのはもちろんのこと、ベストな仕上がりであることが決定的に重要となります。

       

      いずれのケースにしても、論文の翻訳では、他の種類の翻訳と比べて著者と翻訳者とのやり取りが多くなります。これは翻訳者にとって、とてもやりがいのある経験となります。内容についての疑問だけでなく、引用のスタイルなど、著者の希望も確認する必要が出てくるでしょう。翻訳者からのコメントや疑問は、いかに入念にリサーチし、翻訳に時間を注ぎ込んだかの表れでもあります。著者からねぎらいの言葉をもらい、賛辞すら受けたとき、それが翻訳者の労力がすべて報われる瞬間なのです。

       

      J.T.

       

      【原文】

       

      The translation of academic papers is ideally assigned to translators who have expertise in the relevant field, but it will inevitably require substantive research on the part of the translator. It can be a daunting task to translate papers on topics one is unfamiliar with and which are written by leading experts in the field.

       

      Translations, once delivered, are often proofread by the authors themselves. This means that if the authors are highly proficient in English, and many scholars are, the translation could be subject to negative feedback if the quality does not meet their standards. The authors are highly knowledgeable about the subject matter and may decide to rewrite the English version, sometimes adding content that was not in the original Japanese. I have learned not to take these revisions personally. Revisions are not necessarily an indication that your translation was wrong. The authors have their own writing styles and can better express what they want to communicate.

       

      What if the authors are not proficient in English? In such cases, your translation may be published with minimal or no changes, making it critical that the translation you deliver is free of misinterpretations and the best it can be.

       

      Either way, translating papers may involve more back-and-forth interaction between the authors and the translator than some other types of translations, and this can be a rewarding experience. In addition to questions you may have about the content, you may also need to confirm the authors’ preferences such as citation style. The comments and questions you leave also reflect the amount of research and time you put into the translation. When the authors come back to you thanking you for your effort, perhaps even with compliments, you can say that at the end of it all the hard work was well worth it.
       

      | 翻訳者 | 11:16 | - | - |
      「犠牲になる」――「Victim」か「Death」か
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        皆さんは「犠牲」という語にどういう印象をお持ちでしょうか。

         

        いきなりドキリとさせるような質問で恐縮ですが、日本語ネイティブと英語ネイティブの言葉の捉え方の違いを、「犠牲」に対するイメージの比較を通して考えてみたいと思います。

         

        -------------
        「国際テロによって日本人が犠牲になる」という日本語文を英訳するとします。ここで問題になるのが、「犠牲」の訳し方です。

         

        民間人犠牲者を英語では「civilian deaths」と言います。「death」という単語を使うことは、英語ネイティブの感覚からすると、特に不適切ではありません。

         

        ですが、日本語を母国語とする方には、
        「death」=「死亡」
        「victim」=「犠牲」
        と捉えられることが多いようです。「death」は露骨に聞こえるため、婉曲的な表現として「victim」が好まれるのでしょう。

         

        『Merriam-Websterオンライン英語辞書』(http://www.merriam-webster.com/)での「victim」の定義は以下のとおりです。

        a person who has been attacked, injured, robbed, or killed by someone else
        (他者によって攻撃、傷害、略奪を受けた人、または殺された人)

         

        定義から分かるのは、この単語に「death」の意味合いが含まれるかは文脈次第であいまいだということです。「国際テロによって日本人が犠牲になる」という文脈において伝えたいのは「死亡した」ということですので、よりストレートな表現である「death」がよりふさわしいというのが、私の考えです。テロ行為によって命が失われたのは明らかなのに「victim」では、意味が正しく伝わらないように思います。日本語を母国語とする人が英単語に抱くイメージの違いと、ギャップを埋める難しさを実感します。

         

        ひとつひとつの単語に良い印象を持つか悪い印象を持つかは読み手次第です。本来伝えるべき意味を考え、時には思い切ってストレートに訳すことも必要だと思います。

         

        J.T.

        | 翻訳者 | 15:32 | - | - |
        翻訳という魔法:学習するマシンvs.人間のクリエイティビティ
        0

          コンピュータ技術の急速な進歩で、機械翻訳の研究も加速しています。大量・高速処理ができるコンピュータ翻訳が、品質でも人間の翻訳と肩を並べる日は来るのか――。海外在住翻訳者さんの寄稿です。


          --------------------

          (英語原文はこちら

           

          何年か前、人工知能研究者のゲルハルト・ウィドマー(Gerhard Widmer)は、人間の創造力の秘密を解き明かすという壮大な目標を掲げたプロジェクトを立ち上げました。彼は「学習するコンピュータ」にモーツァルトのピアノソナタ13曲の楽譜を読み取らせたうえで、その同じ曲を人間が弾いたものの録音を聞かせました。コンピュータはこの2つの情報を比較し、作曲家の意図した表現と実際の演奏との違いに関する一定のルールを導き出し、それをもとに自分も曲を「演奏」します。時に的外れなルールを考えて、演奏が堅苦しくなったり耳障りになったりすることもありましたが、そのルールがぴたっとはまれば、じつに繊細で微妙な音色が奏でられました。

           

          このモーツァルトの実験では、利用する変数がいわば限定されていました。ひとりの作曲家の楽譜を、コンピュータが理解できる形式に慎重に変換し、それから、その同じ楽曲を、ひとりのピアニストに、ある最新の高性能デジタルピアノで弾いてもらったのです。これを起点に、さまざまな作曲家、ピアニスト、音楽様式に関するルールを見出すためには、気が遠くなるほどたくさんの変数を取り込まなければならないでしょう。しかし、もしコンピュータがそのレベルまでみごとに進化したら、次は間違いなく、その同じアプローチを機械翻訳にも応用するということになるはずです。


          これまでの機械翻訳は期待外れと言ってもよいでしょう。ソース言語とターゲット言語双方の文法、意味、構文、イディオム、文化的背景などをコンピュータが深く理解するのは非常に難しいことがわかりました。また、英語と日本語のようなまったく違う言語の場合、読み手の直感的理解力に期待できるかどうかはその読み手によって大きく異なると思われます。調査研究的な側面の課題もあるでしょう。コンピュータがたとえば専門用語や歴史的記述、業界特有のジョーク、あるいは書き手独自の視点を認識することに成功したとすれば、必要な追加情報を広く探すうえで、人間の翻訳者はこれにとうていかないません。しかしそれでも、コンピュータは見つけ出した情報の質を評価することができなければなりません(ツイッターのフィードや風刺コラムではない、など)。


          しかし最大のハードルは、翻訳のクリエイティブな側面です。翻訳者は書き手の文章の意味、考え方、さらには文体やスタイルなども勘案しながら、思いきった決断を下し、ターゲット言語で新たな文章を生み出します。ソース言語のテキストが跡形もなく別物になっている場合もあります。センテンスやパラグラフがまるごとなくなったり、論理構成をアレンジし直したり……。でも不思議なことに、ソーステキストの本来の意味や意図はしっかり伝わるのです。これはいまのところ人間の魔法というほかないのですが、ウィドマーのコンピュータが学習を続け、創造力の「ルール」をいずれ解明すれば、機械翻訳だって我々を驚かせ、楽しませ、感動させてくれるのかもしれません。


          (原文)

          Machines and the Magic of Translation


          Some years ago, AI researcher Gerhard Widmer launched a project with the lofty goal of unlocking the secrets of human creativity. He fed a “learner computer” the written scores of 13 Mozart piano sonatas, then gave the machine a recording of a human performance of those same sonatas. The computer compared the two sets of information to devise a set of rules about the differences between how a piece was supposed to be played against how it actually was played. Sometimes the computer produced misleading rules, resulting in a stilted or jarring performance, but when it came up with valid rules, the music was nuanced and delicate. 


          The Mozart experiment utilized strict parameters, painstakingly rendering the scores of a single composer into a form that a computer could follow, then having the same pieces performed by a single professional pianist on a single, highly sophisticated digital piano. Going on from there to devise rules for different composers, pianists, and styles of music would require Widmer’s learner computer to encompass a truly mindboggling number of variables. But if the computer did succeed in evolving to that stage, surely the next step would be to apply the same approach to machine translation. 


          It would be fair to say that machine translation has so far been disappointing. It turns out to be extremely difficult for a computer to acquire the necessary in-depth knowledge of the grammar, semantics, syntax, idioms, and cultural underpinnings of both the source and target languages. Moving between languages as different as English and Japanese, the computer presumably also confronts the hugely different expectations of readers’ ability to intuit meaning. The research aspect too must be challenging. Assuming that the computer succeeded in recognizing, for example, a technical term, an historical reference, an industry in-joke, or even the writer’s particular perspective within their field, it would no doubt beat a human translator hands-down in undertaking an extensive trawl for the necessary additional information. However, it would still need to be able to gauge the quality of the information it identified (no Twitter feeds or satirical columns, for example). 


          The greatest hurdle, however, would have to be the creative aspect of translation. Taking the meaning of the writer’s text along with the shape of the writer’s thinking, and even aspects of the their style, the translator crosses the Rubicon and creates a new text in the target language, which sometimes has little or no literal resemblance to the source text. Whole sentences and even paragraphs may vanish; the argument may be entirely rearranged. But magically, the shape and the intent of the source text still shines through. So far, this has been an entirely human magic, but as Widmer’s learner computers continue to unravel the “rules” of that creativity, we may yet be surprised, delighted, and moved by machine translation.


          M.S.

          | 翻訳者 | 18:25 | - | - |
          リズム
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            久々の更新となりました。
            今回は、英日翻訳をおこなう際の日本語のリズムにスポットを当ててみました。原文の構造どおり正確に訳すことで頭がいっぱいになりがちですが、読みやすい訳文に仕上げるため、全体の流れやリズムも意識したいものです。

             

            --------------------

            仕事の関係で、翻訳初心者の方々の訳文を見る機会があります。そうした訳文にありがちな傾向のひとつは、原文のワンセンテンス、ワンセンテンスを順番に一生懸命英文和訳し、それをつなげて終わりというもの。一文訳しては息をつき、また次の一文に挑むということのくり返しで、できあがった「文章」全体としての流れにあまり目配りがされていません(とはいえ、何も気にする必要はありません。誰にも――私にも――初心者の時期はあるのです)。

             

            二葉亭四迷は、原文の意味はもちろん調子までも写しとろうとしました。ピリオド(句点)やカンマ(読点)の数までそろえようとしたといいますから、並大抵の努力ではありません。そこまでやるべきかどうかの議論はともかく、それほど文章のリズムや調子を重んじたということでしょう。

             

            文章には絵画のような文章と音楽のような文章があるのではないか、と言ったのはたしか村上春樹。前者は細部にまで注意が行き届いた的確な描写が身上で、後者はむしろ次へ次へと読者を引っ張る文章のリズムが命である、と。翻訳の場合はどちらかといえば絵画的な側面が重視されそうな気がします(事実を徹底的に調査せよ、とか)。それはそれでとても大切な条件にちがいありません。その要素が欠けたらそもそも翻訳の体をなさないでしょう。でも、さらにそこへ音楽的な側面が加われば鬼に金棒です。読み手はきっとスムーズに(翻訳だということさえ意識せずに)文章を読み進むことができます。

             

            天才はあまり深く考えずにそうしたリズムを自然に体現できるのでしょうが、凡才は引き続き四苦八苦することになります。意味や中身は変わらないのに、語尾をどうするかひとつに5分も10分も頭を悩ませたりしながら。あるいは、原文に接続詞はないけど日本語では入れたほうが読みやすいかな、いや、でも原文の無骨なリズムも捨て置けない……などと行ったり来たりしながら。仕事のしかたはまったくリズミカルではないのでした。

             

            (T.M.)
             

            | 翻訳者 | 11:06 | - | - |
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